top of page

サクセスフルエイジングの鍵は、ミトコンドリア、腸内細菌、エピゲノム !? Aging Without Disease: Mitochondria, Microbiome and Epigenome !?

  • 執筆者の写真: Tomoe Takizawa
    Tomoe Takizawa
  • 2025年12月12日
  • 読了時間: 3分

2024年8月に117歳で亡くなった世界最高齢者 マリア・ブラニャス・モレラさんを分子レベルで解析した研究報告が、2025年10月に医学誌 Cell Reports Medicine に掲載されました。


研究チームは、彼女が116歳のときに血液、唾液、尿、便のサンプルを採取して、ゲノム、トランスクリプトーム、メタボローム、プロテオーム、マイクロバイオーム、エピゲノムという多層的な解析を実施。


そして、極端な長寿の場合、個人内に異なる2つの生物学的プロフィールが共存し得る可能性があることを明らかにしました。


非常に興味深い研究報告です。



Image Credit: Santos-Pujol E, Noguera-Castells A, Casado-Pelaez M, et al. The multiomics blueprint of the individual with the most extreme lifespan, Cell Reports Medicine (2025).



・彼女の細胞年齢は実年齢より約23歳も若かった。


・テロメアは非常に短く、またクローン性造血変異、加齢に伴う免疫集団があった。


・細胞の老化マーカーがあるにもかかわらず、加齢性疾患はほとんど見られなかった。


・腸内微生物であるビフィズス菌が若い人のレベルに匹敵するほど豊富に存在し、バランスのとれた腸内細菌を維持していた。これは彼女が20年間、毎日3個食べていたヨーグルトが関係しているかもしれない。


・全身性炎症マーカーのレベルが非常に低かった。


・心臓と脳の健康に関連する、非常に低いトリグリセリドと高いHDLコレステロールという効率的な脂質代謝が明らかになった。


・テロメアが短いにもかかわらず、彼女が持つ保護遺伝子変異体と高いレベルで機能していたミトコンドリアが、ガンや主要な病気を避けるのに役立ったかもしれない。


・認知機能低下の兆候がなく、最後の日まで精神的に明晰だった。


・定期的に歩き、アクティブな社会生活を維持し、読書やピアノや庭の手入れを楽しんだ。



ここまで。



これまで健康長寿のバロメーターのように言われてきたテロメアが短いうえに、加齢とともに低下すると言われていたミトコンドリアが高いレベルで機能していた、私にとっては衝撃的な研究報告でした。


もちろん単一要因ではなく、さまざまな要素が相互作用した結果であるとは思いますが、やはりミトコンドリア、腸内細菌、エピゲノム(どの遺伝子を使い、どの遺伝子を使わないかのコントローラー)の重要性と可能性を考えずにはいられません。


研究者たちは、今回の研究は単一の例外的な個人のものであり、広く適用可能な結論を引き出すのは時期尚早としたうえで、これまでの老化=病気という一般的な認識に挑戦することができる可能性を示唆しています。


DNAやゲノムや遺伝子は一生変化しないと言われていますが、エピゲノムはストレスやその他の外的要因により変化し続けます。そして、それにより遺伝子の使い方が変わり、心身に影響を与えるわけです。


個々人の選択するライフスタイルによっては、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を維持しながら最後の瞬間まで自分の人生を健やかに生ききることができる、サクセスフルエイジングが実現可能な世の中がすぐそこまできていると確信した研究報告でした。


人生は一瞬一瞬の自分の選択によってつくられる


人としてどう生ききるか、どう歳を重ねるかは自分で決める


私はそのように生きたいと思います。


そして、そういう世の中の実現を目指します。


最後に、病気のないエイジングへの扉を私たちにひらいてくださった、マリア・ブラニャス・モレラさんに心から敬意を表します。




*******************

参考文献:

Source and Image Credits: Santos-Pujol E, Noguera-Castells A, Casado-Pelaez M, et al. The multiomics blueprint of the individual with the most extreme lifespan, Cell Reports Medicine (2025).


Research led by Manel Esteller (Josep Carreras Leukaemia Research Institute), Oct 09, 2025.

She Lived To 117. Here’s How The World’s Oldest Woman’s Cells Stayed Decades Younger Than Her Age, By StudyFinds Analysis, Reviewed by Steve Fink


[エピゲノム入門]1-1. なぜエピゲノムを知ることが重要なのか (2019)

株式会社Rhelixa(レリクサ)HP



bottom of page